2012年01月15日

2012冬 北海道 車の旅 〈その3〉 [フェリーにて]

1月2日の深夜に、苫小牧から八戸行きのフェリーに乗船しました。

この時期のフェリーの難点の一つに、寝る場所の確保があります。二等寝台がなかったので、二等を選びました。案の定、乗船して客室を周りましたがどこも一杯! 船員さんに話をすると上にも二等がありますよ、との事で階段を上ると、展望室を臨時に開放しており、まだ空いたスペースがたくさんありました。

角に陣取って酒を飲んで上機嫌そうなおじさんに声を掛けて、隣のスペースを確保しました。
その内、このおじさんとの会話が始まりました。この方、何と福島の原発で働いたそうです。一日4時間、月に20日間の労働、どれくらいの期間働いたのかは聞き逃しましたが、浴びた放射線が基準に達したため、現在は、三陸地方でがれき処理に従事しているとの事でした。

月にもらっていた給料を聞いてビックリ、自分の薄給に換算すると、4~5か月分に相当するでしょうか。会社の業務命令で働いていたようなので、多いのかもしれません。
話題となっていたピンハネについて伺ってみると、ウチの会社はそんな事せんわ~、との事でした。

既に消灯時間を過ぎていたので、話しはお開きとしました。もっと色々な話を聞きたかったなぁ、と思いました。
こういった出会いも、旅の楽しみの一つです。

翌朝、目覚めるとすぐに下船の準備となったため、あっけなくお別れとなりました。

おじさんの健闘を、遠い空からお祈りしています。
[2012年1月2・3日]
  


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2012年01月13日

2012冬 北海道 車の旅 〈その2〉 [秘境駅]

北海道の中心からやや北東の方角に白滝村(現遠軽町)という小さな村があります。ここには、一日数本の列車しか止まらない小駅がいくつかあることから、訪ねてみることにしました。

まずは、名前に魅かれて「旧白滝駅」を目指します。

国道沿いにホームがあり、すぐに見つかりました。国道といっても、車はたまにしか通りません。雪のため駅前までは行けそうにありませんでした。歩けば大丈夫でしょう。
小さな小屋は待合所でしょうか。

次は少し手前の「下白滝駅」です。

駅舎がぽつんと建っていました。なかなかの風情です。右の建物は廃屋で、窓ガラスは割れて、中が丸見えでした。生活の跡が残っていました。

左側手前には、大きな犬小屋のようなものがたくさん並んでいました。よく見ると、牛が入っていました。車が何台か止まっており、会社組織となっているようです。このため、駅周辺には人気が全くないといった雰囲気ではないのですが、人の住む家は見当たりませんでした。

駅舎に入ると時刻表がありました。朝に1本、午後に3本の列車だけが来るようです。

駅ノートが置いてあり、この駅を訪ねてきた人たちが書き置きを残していました。

山の方に向かい、白滝村の中心地を通り、次の駅が「上白滝駅」です。

この辺りには、数軒の人家がありました。駅舎の鄙びた感じは下白滝駅と似ています。
この駅には朝1本・夕方1本の1往復の列車しか止まらないようです。


ここからはさらに奥へと進み、以前「奥白滝駅」があった場所を目指します。
数年前に廃駅となっています。何でも、周囲に人が住まなくなって、廃駅になったとか。

車一台が通ったと思われるわだちが残っていたので、駅舎までたどり着くことが出来ました。一台の車が止まっており、他にも見学者か?と思いつつホームに出てみると、遠くで保線の方が作業をしていました。この方々の車のようでした。

駅があることからも、昔は周囲にそれなりに人が住んでいたと思うのですが‥今は一面、雪に覆われて、疎らに木が生えているだけでした。
[2011年12月30日]
  


Posted by こいったん at 21:43Comments(0)北海道 車の旅

2012年01月11日

2012冬 北海道 車の旅 〈その1〉 [美幸線]

29日の夕方、苫小牧東港に到着。さらに北に向かって車を走らせました。
日付がとっくに変わった深夜2時半頃、旭川と稚内の中間くらいの場所にある、道の駅びふかにて車中泊をしました。雪が降りしきっており、数時間寝ている間にも、数十㎝の雪が積もっていました。この辺りは、北海道の中でも、特に雪が多い地域です。

この美深(びふか)という町から「美幸線」という、かつて日本一の赤字ローカル線が走っていました。その終点だった仁宇布(にうぷ)という集落を、約20年ぶりに訪ねてみよう、という計画です。

激しく雪が降っており、また大量の雪が道路上に積もり、どこが道路なのか分からないくらいです。雪煙を巻き上げながら、車を走らせました。こんな天候の下でも、美深から仁宇布までの約20㎞の間に、2台も(しか?)車とすれ違いました。
上の写真が、終点だった仁宇布の集落です。雪で周囲の状況がよく分かりませんでしたが、数軒の家が残っているだけのようでした。駅のあった場所を散策したかったのですが、どこも雪に埋もれていて、車を止めれそうな場所が見つかりませんでした。

さらに奥へと進み、ようやく枝幸町に入りました。この辺り、全く人家は見当たりませんが、かつてオホーツク海側への鉄道線が建設され(工事中断で未開通)、遺構が残っている場所です。
途中1台の車とすれ違ってビックリしてしまいました。この道を走る車がいるとは‥(何か変ですね)
この頃には雪も小降りとなってきました。

その後、無事にオホーツク海沿いの国道に合流することが出来ました。
[2011年12月30日]
  


Posted by こいったん at 19:30Comments(0)北海道 車の旅